【事例紹介】「家の風呂に入りたい!」Bさんの願いを受けて

事例紹介・体験

Bさんとの出会いは、冬が深まる2月ころでした。

私が勤務している病院に転院してきたころは、ベッドから起き上がる事も出来ずに寝たきり状態でした。また、脳卒中の影響で、意識も曖昧で会話をしていてもぼーっとしていました。

Bさんは50歳代の女性で、仕事をリタイヤした夫と社会人の娘との3人暮らしの方でした。家での役割は、家事全般を担っており、パートにも出かけていました。

リハビリを継続していく中で徐々に回復を見せ、2か月程度で手足は少し動くようになりました。なんとか、杖を使い歩けるようになりました。

手も動いては来ましたが、生活場面の中で使用するのはまだ難しい状態でした。

このころになると、頭がぼーっとすることもなくなり、現実的な会話が出来るようになっていきました。

ここでBさんから、こんな希望が聞かれました。

「家の風呂で入浴したい」「デイサービスで入るのは嫌だ!」

といったものでした。

今回は、実際に使ってみてよかったものや陥りやすい問題点も合わせて解説していきます。

「家で風呂に風呂に入りたい」に対しての介入と環境調整

問題点1:風呂に入るときに足が引っかかる

脳卒中の方の特徴として、「麻痺」と「痙性」というものがあります。

Bさんの場合は、

・つま先が上がらない・・・麻痺

・緊張したり、怖いと足がそっくり返る・・・痙性

このような特徴がありました。

この状態だと、どうしても足が引っかかることや足が十分に床に接地出来ないので、転びそうになってしまう訳です。

平地であれば、足首を固定する装具を使用します。

しかし、大抵の装具は足首等の固定部にクッションがあり、濡れてしまいます。

ここで、必要になってくるのが「入浴用の装具」です。

これは専門家の方でも知らない方がいるので、もし必要だな・・・と感じている方がいましたら、ケアマネージャーに相談するといいかもです。

入浴用装具…底に滑り止め、クッション材は速乾性の良いもの。自費購入になる事が多い。

Bさんの場合は、
入浴用装具を自費購入したことで、自宅での入浴が娘さんの介助で入る事が出来るようになりました。その後、温泉旅行にも行くことが出来るようになりました。

ただ、やはり入浴動作は非常に難しい動作です。本人だけでなく、家族も一緒にリハビリ場面の中で練習していき、コツを覚えていく必要があります。

問題点2:浴槽の中は足が滑る

浴室内は思っている程、滑りません。

それよりも、浴槽の中が大変滑りやすくなっています

理由としては、浮力です。想像以上に麻痺になると浮力の影響から足が滑ってしまいます。介助があっても難しい事が多いです。

そんな時におすすめしたいのが、浴槽内用の滑り止めです。

普通の滑り止めだと浮き上がる事があるので、浴槽内用のものを購入するといいです。 これはリンクがありましたので貼っておきます。


まとめ

・入浴動作は難しい・・・リハビリでの練習が必須!そして、家族も一緒に関わる事が重要!本来のリラックスを目的とした動作になる為・・・

・入浴は想像以上に緊張し、怖い場面です。脳卒中の方にとっては、援助が必要になりやすい動作です。

・入浴用の装具や滑り止めは、提案されることが少ないものです。より良い入浴になるように、リハビリの担当やケアマネージャーに相談してみましょう。

以上、参考になれば幸いです。

Bさんのようにより良い、生活が獲得できる方が増えますように・・・

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